虎の巻 (2):動画ならではの内容とは

ここでは「動画ならではの研修教材」はどんなものかについて考えてみましょう。

思えば、単に資料を映像化しただけなら、それは動画の教材とは言いにくいです。そうしたものは、パワーポイントとさほど変わらない。そんな動画なら、研修用の教材にはなり得ない場合がほとんどです。皆さんもそうしたものを過去に一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。

やはり研修用の動画は、「映像でしかできないことを形にできて」はじめて価値がでるもの。その意味でも、研修の中身を精査する必要があります。

そう、大事なのはこうした「内容の精査」。ここから全てが始まります。なので、制作のための打合せの半分は、「研修の分析作業」である、そう考えていただいて大丈夫だと思います。

では、精緻に研修内容を分析し、構成だてした上でよく採用される「研修用動画のアイデア・企画」とは、どんなものなのでしょうか。

それは、「業務の密着取材」。これです。密着取材で、研修内容を具体的に見せること。これは、まさに動画でしかできないことです。このため、多くの作例・多くの企業さまの研修用動画で採用されています。

密着取材なので、取材対象者の動きに加えて背景にもさまざまなものが映ります。これが実にリアルな記録なのです。そしてその印象どおり、見る側に強く印象に残ります。ここが大事。勉強になるだけでなく、要は見て楽しい。それゆえ、業務の密着取材映像は研修用動画の企画といしてたいへん人気があり、好評を博しています。

そしてこの「密着取材映像」は、実は動画だけが持つ機能性を最大限活かした制作手法であることが、メディア論的にも言えるのです。

というのも。映像を使って「別時間・別場所での行動をつぶさに学ぶ」という方法は、研修室にいながらにして複数のさまざまな現場を観察できる、ということ。このため、実地見学や「見て周り」をすることと比べて、時間も費用も労力も、大幅に削減することができるからです。

確かに実地で実際に見ることを上回る研修はないものですが、実際はいつもいつも、現場にお邪魔できるわけではないのも事実。現場オペレーション的にはあまり現実的ではありません。

その意味でも、密着取材映像による研修は、いわば擬似現場中継。大変リアルで、効果的です。この手法を見逃す手はありません。ぜひ皆さまも、一度ご検討いただければと思います。